お客様インタビュー

少年野球チーム|故障を予防する身体チェック2017

こんにちは、福岡市南区大橋の整体「福岡らくらく整体院」の高松です。

今日は、昨年・一昨年に引き続き、中学生の硬式野球チーム『太宰府リトルシニア』よりご依頼があり、新入団部員の「故障を未然に防ぐ身体チェック」を行ってきましたので解説します。

一昨年の様子は、こちら『故障を未然に防ぐための身体チェック2015』
そして昨年の様子は『故障を予防する身体チェック2016』をご覧ください。

監督より頂いた感想

福岡らくらく整体院:高松先生

こんにちは、先日はお忙しい中、入団生のメディカルチェックありがとうございました。充実した内容で私も大変勉強になりました。ストレッチの実技で先生がチェックをしてくださったので、子どもたちが正しい方法を身につけることができたと思います!

私が気忙しくしておりまして、あまりお話をすることができずに申し訳ございませんでした。アンケートは揃い次第に、郵送させていただきます。それでは今後とも何卒よろしくお願い申しあげます。

太宰府リトルシニア

今回の身体チェックの目的

【目的】

体の変化が大きい成長期の中学生が、公式野球のハードな練習でも、故障せずに継続的な練習を積むための身体チェック。スポーツ障害の予防についての具体的な改善策。

新入団部員を6人個別に、故障を未然に防ぐために、どういう風に体を使えばいいのか?日頃から怪我をしないように、体のケアをするためにはどうすればいいのか?という依頼でした。

では、実際に行った内容をご説明します

【全体流れ】

  1. ミニ講義(10分)・・・野球に多いスポーツ障害の予防
  2. ボディチェック・・・新入部員6名
    • 個別ストレッチ方法や部位を伝える。体のタイプ別に個別にアドバイス
    • 共通してストレッチポイントをアドバイス
  3. ストレッチの実技指導・・・コツを伝える

ミニ講義

【スポーツ障害の予防とパフォーマンスUP】

野球に良くある障害としては、野球肩・野球肘・オスグッド病・シーバー病・腰椎分離症などがあります。
これらと、捻挫・打撲・骨折など一度の外力の力で怪我をした症状と、スポーツ障害と言われる症状は根本的に原因が違います。
捻挫・打撲・骨折などは、怪我なので防ぐことが難しい。痛みを発している部位と原因の部位が一致しているので、痛む部位の施術を行えば改善することがでいる症状です。

スポーツ障害は、繰り返しのダメージで継続的に負荷を掛け続けて出る痛みなので、根本的に怪我とは違います。
でも、病院など保険が出る治療院へいくと、怪我と同じ見方で、痛みが出ている部位を施術していくので、スポーツ障害はすごく治りにくい症状と言われています。

本当の原因として、一般的には使いすぎと言われていますが、体のバランスの悪さが奥にあって、それが一番の原因があった上で、体の使いすぎがきっかけで痛みが出てきます。
生活習慣から出てきますので、予防ができる症状でもあります。つまり、スポーツ障害は予防ができる症状なのです。

【スポーツ障害の予防法①:お風呂にゆっくり入ること】

39〜41度くらいのお風呂に、10〜15分くらいゆっくり浸かる。
血行を良くしてリラックスするため。筋肉には酸素が必要ですが、一番簡単で効果が最も高いと考えられるのが、この入浴です。

実際に来られた子供達は、ほとんどが入浴習慣がなくシャワー生活でした。
シャワーは、手軽で汚れは落とすことはでき便利なのですが、体の芯まで温められません。
リラックスという面でもお湯に浮かぶだけでも9分の1くらいまで浮力で体が軽くなりますので、お母さんのお腹の中にいるような安心感を感じることができます。
シャワーでは、これができませんので、効果が限定的になってしまいます。

【スポーツ障害の予防法②:体のバランスの改善】

人間二足歩行で歩くので、バランスをものすごくとって歩いています。
表裏拮抗していて、表側が伸びれば裏が収縮するという感じで、体のバランスを整えてあげる必要があります。
お風呂上がりなど、体がリラックスできた状態で、ストレッチを行うと非常に効果が大きいです。

実際に、来られた子供たちは、ほとんどが今年は前年度に比べて、体のバランスが悪いという子ばかりではありませんでした。
バランスのとれたお子さんもいらっしゃいました。
やはり股関節の柔軟性と骨盤のバランスが重要で、骨盤付近は体重を支える部位でもあり、太い筋肉が集まる部位ですので、ここのバランスが歪むと体全体が歪むと考えています。
今回は、バランスを整えるストレッチを3種類お伝えしました。

【スポーツ障害の予防法③:質の高い休息】

筋肉に酸素と栄養分をいっぱいにして、ゆっくり寝ましょう。
筋肉は休息が大事ですので、酸素を含ませてゆっくり休ませてあげると元気に回復します。

実際に、来られた子供たちは、寝る前にタブレットを椅子に座って、ものすごく悪い姿勢で1〜2時間も毎日やっているということでした。
やはり予想通りのポイントの筋肉に凝りがあり、ストレッチや施術では、ものすごく痛がっていました。
姿勢が悪くて、バランスが悪くなっているので、筋肉疲労がなかなか回復しないような感じで、休んでいるような感じでも休めていない状態でした。

ボディチェック

太宰府リトルシニアの新入部員6名と保護者の方、コーチさんの前で、全員のボディバランスチェックを行いました。

身体チェックの内容
骨盤のバランスをチェック

身体の前面と後面の筋肉が拮抗していて、骨盤が前傾しているか?(反り腰)後傾しているか?(猫背)の2つに大別することができます。
骨盤の前傾・後傾の違いによって、筋肉のコリ(硬くなったり・縮んだり)する部位が変わってきます。
ですので、このバランスを見ることによって、ストレッチする場所が違うので、セルフケアのポイントややり方が変わってきますので、骨盤のバランスのチェックを行いました。

【チェック7項目】

(目的は予防ですので、身体の主要な体幹の動き)

【チェック①:肩の可動域】
  • 「やり方」:両手を真横から上げて頭の真上で手を合わせる。
  • 「目的」:肩甲骨の可動性・肩関節の動き・鎖骨上腕骨周辺のバランスチェック
【チェック②:脊柱の回旋】
  • 「やり方」:体を捻って自然に肩がどこまで回るか?
  • 「目的」:上半身の可動性、股関節の柔軟性をチェック
【チェック③:前屈】
  • 「やり方」:体を前に倒して手が地面に付くかをチェック
  • 「目的」:腰部・股関節の可動性のチェック、臀部・ハムストリングスの柔軟性
【チェック④:骨盤のバランスチェック】
  • 「やり方」:骨盤の前後の高さの比較
  • 「目的」:骨盤が前傾か?(反り腰)後傾か?(猫背)
【チェック⑤:膝の屈曲】
  • 「やり方」:うつ伏せで足首を持って膝を曲げて、関節の動きや膝の屈曲角度や抵抗で、大腿四頭筋の硬さやハムストリングスの動きをチェック
  • 「目的」:大腿四頭筋やハムストリングスの柔軟性と動き。膝関節の動きをチェック。
【チェック⑥:股関節の屈曲】
  • 「やり方」:仰向けで片方の足を、膝を曲げながら押し込んで、股関節を曲げながら可動性をチェック
  • 「目的」:股関節が可動制限がないか?正常に動いているかをチェック
【チェック⑦:大腿四頭筋、臀筋、ハムストリングスの伸張性】
  • 「やり方」:うつ伏せで足首を持って膝を曲げて、手にかかる抵抗や動きを見て柔軟性をチェック
  • 「目的」:大腿四頭筋、臀筋、ハムストリングスの柔軟性をチェック
【チェック⑧:開脚前屈】
  • 「やり方」:座った状態でなるべく両足を広げて、そのまま状態を前に倒していく。
  • 「目的」:内転筋、ハムストリングス、股関節の可動性をチェック
【結果】

要注意が二人ほど。ちょっと頑張れば大丈夫だというレベルが2人いました。

まとめ

福岡らくらく整体院 高松です

痛みが出ていなくても、何かしらの原因が潜んでいるということは、ほぼ全員にありますので、そのバランスが悪いままキツイ練習を継続しても、痛みは出ます。
肘が痛いといって病院へ行っても、肘の治療だけを行って、肘の痛みが取れないというケースになりそうなお子さんが多いと思いました。
そういった意味でも、多くの人に今回のような活動を知っていただくということは、とてもお重要なことだと感じました。
今回3回目を行って、手探りの中でやってきた中で、もっと工夫をしていかないといけないと感じました。
自分の中でもいろいろな面で勉強にもなってきましたし、幅を広げていきたいので勉強を続けていきます。

最後にお伝えしたいこと

スポーツはなにかとパワーが重視されますが、私が一番大切だと考えているのは、パワーの前に「バランスと柔軟性」です。
機能が高くよいパフォーマンスを発揮し、痛みやケガを起こさない体は「バランスと柔軟性」が備わっています。
逆に痛みを出す体は「バランス」が悪くなっていて、「柔軟性」が低下しています。
バランスが悪い体は、車に例えると車軸が曲がっている状態。タイヤが正しく回転しない上に軸に正しく力が伝わらない状態で、強いエンジンを積んでも、逆に故障を起こすようなものです。
体も歪んでバランスが悪い状態で筋トレでパワーアップしても、故障するのは目に見えています。
「バランスと柔軟性」を高めたあとに、筋トレを適度に行う事が痛みを出さず、パフォーマンスを高めるコツです。

【練習前】

練習前はゆっくりした静的ストレッチより、準備運動として動的ストレッチが適しています。
急激に筋肉を動かさずに事前に動かしておくことで、ウォーミングアップになり、筋肉の動きもよくなるのでケガの予防になります。

【練習後】

野球のピッチャーのように、同じ動きを繰り返し行った時は、筋肉が熱を持つことがあるので、患部をアイシングすることは、痛みを出さないためには有効です。
冷やしすぎると血行不良を起こすので、体温以上に熱が上がらない程度の短い時間で大丈夫です。
体を冷やさないようにしっかり汗を拭いて保温しておきましょう。

【自宅ケア】

厳しい練習で筋肉を過酷に動かしたあとは、しっかりケアをして休めることが大切です。
ここがうまくいなかいと、筋肉疲労が蓄積し、成長が遅れ、徐々に痛みになって現れてきます。
一番大切なのは、「血行を回復させリラックスしてゆっくり休ませること」
スポーツで繰り返し運動させた筋肉は、酸素を消費して乳酸などの老廃物を排出します。筋肉を成長させるには乳酸などのストレスは必要です。

しかし、筋肉にストレスを一定時間与えたら、乳酸はすみやかに排出して酸素を供給しないといけません。
毎日できる一番簡単でかつ有効な方法は「リラックス」です。
ゆっくり入浴することが一番簡単で体に優しい習慣です。
リラックスできると筋肉の緊張も緩むし、血行も回復します。
よい環境で筋肉を休ませてしっかり回復させ、次の練習に備えましょう。